内臓脂肪とは内臓の周囲、腹筋の内側、腹膜の表面などにつく脂肪をいいます。内臓脂肪には、内臓を正しい位置に保つ、内臓の間にあることで外部からの衝撃やけがから内臓を守る緩衝材的な機能があります。

内臓脂肪が多くなりすぎるのは、肥満を招き血液中の中性脂肪やコレステロールを増やすことにつながり、生活習慣病を引き起す原因になってしまいます。 脂肪細胞からはさまざまな物質が分泌されますが、内臓脂肪の周りは血管が多く張り巡らされているため分泌物は血液にのって直接的に体へ影響を及ぼします。脂肪細胞からは動脈硬化を促進と予防に働く相反する2種類の生理活性物質(サイトカイン)が分泌されますが、内臓脂肪が多いと動脈硬化を促進するサイトカインが増え、予防サイトカインが減少してしまいます。 さらに内臓脂肪はアンジオテンシノーゲンと呼ばれる血圧上昇ホルモンの分泌を促し、高血圧を促進します。このほか、血糖値を下げるインスリンの働きも低下させるために高血糖を招き糖尿病を引き起す原因になります。脂肪が多いと生理活性物質がたくさん分泌され、動脈硬化や糖尿病を誘発してしまうのです。 

内臓脂肪を減らすには20〜30分の有酸素運動が効果的です。脂肪分解の過程においてエネルギー源には使われる順序があり、始めは糖質エネルギーである血液中のグルコースや筋肉中のグリコーゲンが消費されます。体内の糖質エネルギーが少なくなると必要に応じて脂肪が使われます。脂肪は本来、貯蓄エネルギーとしての役割があるため、必要に迫られなければ使われません。貯まった脂肪を酵素の力で分解し、効率よく使うためには体内の糖質エネルギーが不足し、体が温まった状態を作ることが必要です。

20分程度の有酸素運動を行うことで、体内の糖質エネルギーは使い果たされ脂肪からエネルギーを必要とします。脂肪分解酵素のリパーゼは低温では活性が鈍りますが、20〜30分運動することで体も適度に温まりリパーゼの働きが良くなります。リパーゼが活発に働くと脂肪分解もスムーズに進み効率よく燃焼できます。

内臓脂肪解消に食生活の面では青魚を積極的に摂ることです。青魚に含まれるEPAやDHAには脂肪燃焼に関わるミトコンドリアを活性化する作用があり、青背の魚がオススメです。バランスの良い食生活ができない、食事をコントロールするのが難しい人は、食品の機能成分を生かした栄養補助食品やサプリメントを上手に活用しましょう。