中性脂肪と病院治療

食生活の欧米化にともない、肉食や外食が増え高カロリーで油脂分の多い食事メニューが多くなってきた日本人の生活は、血液中の中性脂肪の値にも大きく影響してきています。今や日本人成人の半数以上が中性脂肪境界域(110〜150mg/dl)及び脂質異常症にあるといわれています。

日本人の死亡原因第1位はガン、2位心臓病、3位脳卒中と続きますが、心臓病と脳卒中を合わせるとこれらの疾患で亡くなる方は、国民全体の3分の1を占めます。心臓病や脳卒中という病気は血管の疾患によるものですが、これらを引き起す危険因子は動脈硬化とされています。中性脂肪が直接的な原因ではありませんが、中性脂肪は血管内に動脈硬化ができやすい環境をつくる因子で間接的に動脈硬化を進行させてしまいます。中性脂肪を上手にコントロールして正常値を保ち、健康的な毎日を過しましょう。

中性脂肪値が150dl/mg以上を示すと正常値範囲外となり脂質異常症、動脈硬化、脂肪肝などと診断を受け病院での治療や薬物療法が必要になります。また食事療法や運動療法を試みても改善が見られない場合には同じく病院や薬物での治療を要しますが、中性脂肪値が正常値をやや超える程度で深刻な状況にない場合には、食事と運動により改善できます。 

体の脂肪量は日頃の食生活に大きく影響されるため中性脂肪改善の基本は食事にあります。 基本的には、

  1. 食べすぎない
  2. 偏食をせず栄養のバランスが取れた食事をする
  3. 甘いもの、お菓子、果物の摂取を控える
  4. 脂質の多い食品は控え、質のよい油脂分をとる
  5. 適量の飲酒

の実践が必要です。 また、イワシ、サンマ、サバなどの青魚に含まれるDHAやEPAは中性脂肪を下げ、血液をサラサラにする働きがあります。このような機能成分を持つ食品は積極的に食事に取り入れていきましょう。バランスの良い食生活ができていない、食事生活管理が難しい人は、食品の機能成分を生かした栄養補助食品やサプリメントを上手に活用しましょう。

中性脂肪改善には20分程度の有酸素運動が必要です。20分程度の運動を行うことで、体内の糖エネルギーは使い果たされ、脂肪が燃焼し始めます。運動することで温まった体では脂肪分解酵素のリパーゼが活発に働き、脂肪分解がスムーズに進み効率よく燃焼されます。脂肪燃焼をよくするためにも青魚を積極的に摂ることをオススメします。青魚に含まれるEPAやDHAには脂肪燃焼に関わるミトコンドリアを活性化する作用があり、脂肪燃焼効率がUPします。