内臓脂肪と中性脂肪の違いとは?落とし方・測り方を医師監修で解説

この記事でわかること

  • 内臓脂肪と中性脂肪の関係(同じ「脂肪」でも測り方も落とし方も別物
  • 自宅でできる内臓脂肪チェック(腹囲・体組成計)と、医療機関でしか測れない検査
  • 内臓脂肪と中性脂肪を同時に落とす優先順位(食事・運動・サプリ・医療)
  • 男女別の腹囲基準値と、メタボリックシンドロームの診断基準
  • 内臓脂肪が「落としやすい」とされる医学的根拠と、3か月の取り組み目安

公的情報源: 日本動脈硬化学会ガイドライン2022年版/日本肥満学会/厚生労働省

自己流の食事制限が続かない方は、専門家の伴走型プログラムも選択肢です。

結論を先に書きます

「中性脂肪」と「内臓脂肪」は同じ脂肪と思われがちですが、実は測り方も落とし方も異なります。

ただし両者は深くつながっており、内臓脂肪を減らすと中性脂肪も連動して下がるケースが多く報告されています。健康診断で中性脂肪が高い方も、お腹周りが気になる方も、対策の方向はほぼ同じです。

この記事の要点
  • 中性脂肪=血液中を流れる脂肪、内臓脂肪=内臓の周りに溜まった脂肪
  • 内臓脂肪が遊離脂肪酸を放出し、肝臓で中性脂肪に再合成される=両者は原因と結果の関係
  • 内臓脂肪は代謝が活発で、皮下脂肪より食事・運動に反応しやすいとされる
  • 食事・運動・サプリ・医療を組み合わせると、両方を同時に下げやすい

目次

内臓脂肪と中性脂肪の違いを正しく理解する

両者の違いは「どこにある脂肪か」で整理すると分かりやすいです。中性脂肪は血液中、内臓脂肪は内臓の周り。測る方法も対策の入り口も変わってきます。

中性脂肪は「血液中を流れる脂肪」

中性脂肪(トリグリセライド/TG)は、食事で摂った糖質や脂質をもとに肝臓で合成され、血液を介して全身のエネルギー源として運ばれます。

健康診断で測定するのはこの「血液中の中性脂肪」です。空腹時150mg/dL以上で脂質異常症と診断されます(日本動脈硬化学会ガイドライン2022年版)。

内臓脂肪は「内臓の周りに溜まった脂肪」

内臓脂肪は、腸管や肝臓など内臓の周りに蓄えられた中性脂肪を指します。手で触れる皮下脂肪と違い、CTやMRIなど画像診断でしか直接見ることができません。

判定の目安は内臓脂肪面積100cm²以上。これが「内臓脂肪型肥満」の基準とされています。

「内臓脂肪が中性脂肪を作る」関係性

内臓脂肪細胞は皮下脂肪よりも代謝が活発で、遊離脂肪酸を血液中に多く放出します。これが肝臓に運ばれて中性脂肪へ再合成されるため、内臓脂肪が多い人ほど血液中の中性脂肪も高くなりやすい傾向があります。

つまり両者は「原因と結果」でつながっており、内臓脂肪を減らせば中性脂肪も連動して下がるケースが多いのです。

皮下脂肪との違い

内臓脂肪と皮下脂肪は、性質も健康リスクも異なります。下の表で対照しておきましょう。

項目内臓脂肪皮下脂肪
場所内臓の周り皮膚の下
性別の傾向男性に多い女性に多い
体型リンゴ型(お腹がぽっこり)洋ナシ型(下半身が太め)
代謝活性高い(出入りが激しい)低い(蓄えられたまま)
健康リスク高(糖尿病・心血管疾患)中(美容面が中心)
落としやすさ落としやすい落としにくい

内臓脂肪が「落としやすい」とされるのは、代謝が活発で食事制限と運動に反応しやすいためです。逆に皮下脂肪は時間がかかります。

内臓脂肪と中性脂肪の測り方

中性脂肪は血液検査、内臓脂肪は腹囲・体組成計・CTの3通りで把握できます。手軽さと精度はトレードオフです。

中性脂肪の測り方:血液検査(健康診断)

いちばん手軽なのが健康診断や人間ドックの血液検査です。空腹時採血が基本ですが、近年は随時採血(非空腹時)でも175mg/dL以上を診断基準とするガイドラインが運用されています。

内臓脂肪の測り方①:腹囲(メジャーで測る)

おへその高さで腹囲を測る方法が手軽で取り組みやすいです。日本肥満学会の基準では、男性85cm以上・女性90cm以上で内臓脂肪型肥満が疑われます。

内臓脂肪の測り方②:家庭用体組成計

タニタやオムロンなどの体組成計には「内臓脂肪レベル」表示機能があります。電気抵抗値から推計するため精度はCTに劣りますが、毎日同じ条件で測れば変化のトレンドは把握できます。

レベル10以上で標準より多め、15以上で過剰と判定するのが一般的です。

内臓脂肪の測り方③:CT検査(精度が高い)

医療機関の腹部CT検査では、内臓脂肪面積(cm²)を直接測定できます。100cm²以上が肥満症の診断基準で、人間ドックのオプション(5,000〜10,000円程度)で追加できることが多いです。

自宅でできる簡易チェック

道具がなくても、次の3点で内臓脂肪型かどうかの当たりはつけられます。

  • ウエスト÷ヒップ比(W/H比):男性0.9以上、女性0.85以上で内臓脂肪型の可能性
  • BMI:25以上で肥満、30以上で肥満症
  • 鏡で腹部を横から確認:お腹が前に突き出ていれば内臓脂肪型の傾向

メタボリックシンドロームの診断基準

内臓脂肪と中性脂肪は、メタボリックシンドロームの診断にも直結します。まず腹囲が必須項目です。

必須項目基準
腹囲男性85cm以上・女性90cm以上

これに加えて、以下のうち2項目以上が該当するとメタボリックシンドロームと診断されます。

  • 中性脂肪150mg/dL以上 または HDLコレステロール40mg/dL未満
  • 収縮期血圧130mmHg以上 または 拡張期血圧85mmHg以上
  • 空腹時血糖110mg/dL以上

厚生労働省の調査では、40〜74歳男性のおよそ2人に1人がメタボまたは予備群に該当するとされており、決して他人事ではありません。

内臓脂肪と中性脂肪を同時に落とす方法

ここからは具体的な対策です。順番としては、まず食事の見直し、次に運動、補助としてサプリや医療を重ねていくのが現実的です。

1. 食事改善:糖質と飲酒を見直す

中性脂肪の原料は糖質と脂質です。特に白米・パン・麺類・甘い飲料を1日250g以下に抑え、アルコールは週2日以下・1日純アルコール20g(ビール500mLまたは日本酒1合)以内が目安。

この2点を整えるだけで、内臓脂肪と中性脂肪の両方が減りやすくなります。サプリ単体に頼る前に、まず食事の土台を見直すのが先決です。

2. 有酸素運動:週150分が目安

厚生労働省の身体活動基準では、週150分以上の中強度有酸素運動が推奨されています。速歩・水中ウォーキング・エアロバイクのいずれでもOK。

3か月続けると内臓脂肪面積が10〜20%減少したという報告もあります。

3. 筋トレ:基礎代謝を上げる

スロースクワットや腕立て伏せなどの自重トレーニングを週2〜3回。筋肉量が増えると安静時のエネルギー消費が上がり、内臓脂肪が燃えやすい状態に近づきます。

4. サプリ:DHA・EPA・難消化性デキストリン

DHA・EPAは肝臓での中性脂肪合成を抑え、難消化性デキストリン(食物繊維)は食後の中性脂肪上昇を抑える働きが報告されています。

機能性表示食品で1日合計DHA+EPA500mg以上、難消化性デキストリン5gが目安です。どの製品を選ぶか迷う方は、成分と価格を整理した比較記事も参考にしてください。

5. 医療ダイエット:短期で結果を出したい方向け

「3か月で形にしたい」「自己流では続かない」という方は、医療ダイエット(GLP-1受容体作動薬・脂肪溶解注射)やパーソナルジムも選択肢です。

費用は月3〜8万円・自費が中心ですが、内臓脂肪と中性脂肪が同時に短期で改善したケースが報告されています。

食事と運動の管理を専門家に任せたい方は、無料カウンセリングで相性を確かめてみてください。

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落とし方の比較表

予算と期間、求める変化の大きさで適した方法は変わります。下の表で全体像を掴んでください。

方法期間月額目安内臓脂肪減少幅中性脂肪改善幅おすすめタイプ
食事改善のみ3〜6か月0円5〜15%10〜20%軽症・予算重視
食事+運動3か月0〜1万円10〜20%20〜30%標準的な40代
食事+運動+サプリ3か月3,000〜10,000円15〜25%25〜35%着実に効果を出したい層
パーソナルジム2〜3か月6〜20万円20〜30%30〜40%短期で形にしたい層
医療ダイエット1〜3か月3〜8万円15〜30%25〜40%体型の大幅変化を求める層

運動を続ける環境づくりに迷ったら、ジム選びの観点をまとめた記事も役立ちます。クリニック受診を考えている方向けの解説もあわせてどうぞ。

40代以降に「落としにくくなる」原因と対策

年齢を重ねると同じ生活でも脂肪が溜まりやすくなります。原因は1つではありません。

基礎代謝の低下

40代以降は何もしないと年0.5〜1%ずつ筋肉量が減少し、基礎代謝も下がります。これに対抗するには筋トレが要。週2回・各30分でも十分です。

ホルモンバランスの変化

男性はテストステロン、女性はエストロゲンの低下により、内臓脂肪が溜まりやすくなります。特に女性は閉経前後で内臓脂肪が急増する傾向があり、この時期の生活習慣が将来を左右します。

食習慣の固定化

夕食が遅い、飲酒が習慣化しているなど、20〜30代に作った習慣が体に染みついている時期です。食事日記をつけて可視化するだけで、無意識のカロリー過剰に気づけます。

ストレスとコルチゾール

慢性的なストレスはコルチゾールというホルモンを上げ、内臓脂肪を蓄積しやすくします。睡眠の質を上げる、週1回は趣味の時間を作るなど、ストレス管理も脂肪対策の一部です。

効きやすいアプローチの考え方

脂質異常症のケアでは、「内臓脂肪を落とすことが中性脂肪改善の近道」というのが現場の共通認識とされています。

一方で、内臓脂肪が減っても皮下脂肪が薄くなるのは時間差で起きるため、見た目の変化が遅くてもがっかりしないことが大切です。

数値で先に変化が出る → 数か月後に体型が追いついてくる、という順序を理解しておくと、モチベーションを保ちやすくなります。

よくある質問(FAQ)

Q1:内臓脂肪と中性脂肪、どちらを優先して落とすべきですか?

A. 両者は連動しているため、どちらを意識しても同時に下がっていきます。健康診断で中性脂肪が高い方は、まず数値を下げること(食事・運動・サプリ)を優先。お腹がぽっこりしている方は内臓脂肪を意識(運動・筋トレ)すると効率的です。

Q2:内臓脂肪は皮下脂肪より落としやすいですか?

A. はい、医学的に確認されています。内臓脂肪は代謝が活発で、食事改善と運動に対して2〜3倍のペースで反応するとされます。3か月で内臓脂肪面積が10〜20%減少することも珍しくありません。

Q3:体組成計の「内臓脂肪レベル」はどこまで信頼できますか?

A. 数値の精度はCTに劣りますが、毎日同じ条件(朝起きてトイレ後など)で測れば、変化のトレンドは十分把握できます。レベルが1下がるごとに内臓脂肪面積が約10cm²減るイメージです。

Q4:お腹周りが太くても中性脂肪は正常な人がいるのはなぜ?

A. 個人差です。皮下脂肪型の方は内臓脂肪が少なく、中性脂肪も正常範囲のことがあります。ただし将来的に内臓脂肪が増えるリスクは平均より高いため、油断は禁物です。

Q5:内臓脂肪は何キロ落とせば中性脂肪も下がりますか?

A. 体重の3〜5%減で、内臓脂肪面積と中性脂肪値の有意な改善が見られるという報告が多いです。70kgの方なら2〜3.5kgの減量が目安になります。

Q6:内臓脂肪が多くても自覚症状はありますか?

A. 多くの場合、自覚症状はありません。だからこそ健康診断や体組成計で「数値の変化」を意識的にチェックすることが大切です。

まとめ:今日から始める3か月ロードマップ

最後に、無理なく続けられる3か月の進め方を表にまとめます。1か月目は土台づくり、2か月目で運動を足し、3か月目で必要に応じて専門サービスを併用する流れです。

期間やること期待できる変化
1か月目食事の糖質・飲酒を見直す/週3回30分のウォーキング開始/DHA・EPAサプリ開始体重マイナス1〜2kg、腹囲マイナス1〜2cm
2か月目筋トレ(スロースクワット)を週2回追加/食物繊維を毎食1品体重マイナス2〜4kg、中性脂肪10〜20%低下
3か月目運動強度を上げる/必要に応じてパーソナルジムや医療ダイエット併用体重マイナス3〜6kg、中性脂肪20〜35%低下、内臓脂肪面積10〜20%減

内臓脂肪と中性脂肪は、生活習慣の見直しで下げやすい数値です。一人で続けるのが難しい方は、パーソナルジムや医療ダイエットなどの専門サービスをうまく活用してください。

3か月で着実に形にしたい方は、専門トレーナーの伴走を一度体験してみるのも手です。

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免責事項

※本記事は公開情報をもとにした整理で、医療行為・診断を目的としたものではありません。体調や治療に関わる判断は自己判断せず、医師など専門家にご相談のうえ、公式・公的機関の最新情報もあわせてご確認ください。

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この記事を書いた人

大学卒業後、総合病院に勤務しその後、地域密着型の調剤薬局へ転職し、生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症)や在宅医療・地域医療連携にも力を注いでいる。

患者さま一人ひとりに合った安全で効果的な情報を提供し、日々の健康維持をサポートすることを心がけています。地域の皆さまの健康に貢献してまいります。

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