【健康診断の見方】中性脂肪・コレステロールの基準値は?隠れリスクを自分で計算する方法

中性脂肪に関連した検査数値

「健康診断の結果が返ってきたけれど、数字やアルファベットばかりでよく分からない…」
「中性脂肪の数値に『C判定』や『要経過観察』がついているけれど、自覚症状がないから大丈夫だろう」

もしあなたがそう考えて結果票を机の奥にしまおうとしているなら、少し待ってください。

中性脂肪やコレステロールの異常は、「サイレントキラー(沈黙の殺人者)」と呼ばれています。
なぜなら、体の中で血管がボロボロになっていても、倒れるその瞬間まで自覚症状がほとんど出ないからです。

「痛くないから」といって放置した結果、ある日突然、心筋梗塞や脳梗塞で救急搬送されるケースは決して珍しくありません。

この記事では、健康診断の結果表を手元に持っているあなたのために、以下の情報を分かりやすく解説します。

  • 中性脂肪・コレステロールの正しい「基準値」
  • 高脂血症(脂質異常症)の診断ライン
  • 健康診断には載っていない「隠れリスク」の計算方法

数値を正しく理解することは、あなたの「命」と「未来」を守る最初のステップです。
まずは現状を把握し、必要な対策を知ることから始めましょう。

目次

【一覧表】中性脂肪・コレステロールの基準値と診断ライン

血液の中に「脂質(あぶら)」がどれくらい含まれているかを示すのが、以下の検査項目です。
40歳を過ぎたら、毎年必ずチェックすべき重要項目です。

お手元の検査結果と照らし合わせてみてください。

検査項目正常値 (mg/dL)異常値・要注意 (mg/dL)
総コレステロール (TC)150 ~ 219220以上
(高コレステロール血症)
LDLコレステロール70 ~ 139140以上
(高LDL血症)
中性脂肪 (TG)50 ~ 149150以上
(高中性脂肪血症)
HDLコレステロール40以上40未満
(低HDL血症)

それぞれの数値が持つ意味

  • 中性脂肪 (TG)
    体を動かすエネルギー源ですが、増えすぎると皮下脂肪や内臓脂肪として蓄積され、動脈硬化を進行させます。
  • LDLコレステロール(悪玉)
    肝臓から全身へコレステロールを運ぶ役割。増えすぎると血管の壁に入り込み、血管を詰まらせる原因になります。
  • HDLコレステロール(善玉)
    余分なコレステロールを回収して肝臓に戻す役割。これが「低い(40未満)」ことも、血管が詰まるリスクを高めるため問題視されます。

診断のポイント

上記の4つの項目のうち、「ひとつでも」異常値に当てはまれば「高脂血症(現在は脂質異常症と呼ばれます)」と診断される可能性があります。
※総コレステロールの基準は220mg/dL以上ですが、200〜219mg/dLは「境界域」とされ、注意が必要な段階です。

検査結果に「LDL」がない場合の計算式

健康診断の項目によっては、LDLコレステロール(悪玉)の数値が記載されていない場合があります。
その場合でも、総コレステロール、HDL、中性脂肪の数値が分かれば、計算で導き出すことが可能です。

以下の計算式(フリーデワルドの式)を使って、ご自身のLDL値を把握しておきましょう。

LDLコレステロールの計算式

総コレステロール - HDL - (中性脂肪 × 0.2) = LDL

※中性脂肪が400mg/dL未満の場合に適用可能です。

もし、この計算結果が140mg/dLを超えている場合は、隠れ高LDL血症の可能性があります。
医療機関での精密な再検査を検討してください。

肥満度をチェックする「BMI」の基準値

中性脂肪やコレステロールが高い原因の多くは、過食や運動不足による「肥満」にあります。
肥満度を客観的に判断する国際的な指標が「BMI(ボディ・マス・インデックス)」です。

体重計に乗るだけでなく、身長とのバランスを見たこの数値を意識することが重要です。

BMIの計算方法と標準値

BMIは以下の計算式で求められます。

BMIの計算式

体重(kg) ÷ { 身長(m) × 身長(m) } = BMI

例えば、身長170cm(1.7m)、体重70kgの人の場合:
70 ÷ (1.7 × 1.7) = 24.2 となります。

あなたの体型はどれ?BMI判定表

BMI値判定
18.5未満やせ
18.5以上 ~ 25.0未満普通体重(正常)
25.0以上 ~ 30.0未満軽度肥満(1度)
30.0以上 ~ 35.0未満中等度肥満(2度)
35.0以上 ~ 40.0未満高度肥満(3度)
40.0以上超肥満(4度)

最も病気になりにくい数値は「22」

WHO(世界保健機関)などの統計によると、BMIが「22」の時が最も病気にかかりにくく、死亡率が低いとされています。
この「BMI 22」を基準とした体重を「標準体重」と呼びます。

あなたの理想的な体重(標準体重)は、以下の計算で分かります。

身長(m) × 身長(m) × 22 = 標準体重

現在の体重がこの数値から大きく離れている(特にオーバーしている)場合は、それが中性脂肪やコレステロール値を悪化させている根本原因かもしれません。

自覚症状がないからこそ「数値」を信じて対策を

中性脂肪やLDLコレステロールが高い状態が続くと、血管の内側にヘドロのようなプラークが溜まり、血液の通り道が狭くなります(動脈硬化)。

恐ろしいのは、血管が詰まるその瞬間まで「痛くも痒くもない」ということです。

  • 「まだ若いから大丈夫」
  • 「特に体調は悪くない」
  • 「来年の診断で下がっていればいいや」

そう思って放置している間に、血管の老化は確実に進行します。
今回、健康診断で「異常値」や「境界域」というサインが出たことは、ある意味で「命拾いするチャンス」を得たのと同じです。

次に取るべき行動は?

もし、今回の記事で紹介した基準値を超えている項目があった場合、以下の行動を強くおすすめします。

  1. 再検査を受ける
    「要再検査」「要精密検査」の判定が出ている場合は、必ず病院(内科・循環器内科)を受診してください。
  2. 生活習慣を見直す
    お酒の飲み過ぎ、糖質の摂りすぎ、運動不足。心当たりがある原因を一つずつ潰していくことが、数値を下げる最短ルートです。

未来の自分のために、今日からできることを始めましょう。
まずは、自分の適正体重(BMI 22)を知り、食事の内容を少し意識することからスタートです。

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この記事を書いた人

大学卒業後、総合病院に勤務しその後、地域密着型の調剤薬局へ転職し、生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症)や在宅医療・地域医療連携にも力を注いでいる。

患者さま一人ひとりに合った安全で効果的な情報を提供し、日々の健康維持をサポートすることを心がけています。地域の皆さまの健康に貢献してまいります。

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