中性脂肪が高い値を示す原因は様々ありますが、約70%は自分でコントロールのできる食生活や生活習慣の乱れが原因とされており、残りの約30%は病気、薬、遺伝など自分の力では回避できないことが原因です。中性脂肪は動脈硬化、脳梗塞、脂肪肝など病気が進行していても自覚症状に乏しいため、つい放って置いてしまいがちになってしまいます。症状が表面化してくる頃には、病気が進行し突然生死を分かつ場面に直面するというケースが少なくありませんので、自制できる原因がある場合には改善し、中性脂肪を適性に保つことが大切です。

食生活

中性脂肪が上がる大きな原因は食生活にあります。消費エネルギー以上に食事や飲酒でエネルギーを摂取しすぎるとエネルギーが完全に消費されず、余った糖質や脂質は脂肪として蓄積されるため中性脂肪が体内に貯まっていきます。特に主食、お酒、油もの、果物、甘いものは中性脂肪をつくる材料になりやすいので食べすぎには注意が必要です。

運動不足

運動不足はエネルギーが消費されず内臓に脂肪がたまります。そして運動不足によって消費されない中性脂肪が脂肪を増やす悪循環を招きます。食事から摂取した脂質はからだのエネルギー減として消費されますが、消費が少なく余った分は脂肪組織に蓄積されます。脂肪組織で中性脂肪が多くなると、脂肪酸に分解され肝臓へ運ばれます。肝臓では運ばれてきた脂肪酸を材料に中性脂肪が合成され血液に流れ、エネルギーとして使われなかったものは再度脂肪組織に取り込まれます。この負のスパイラルを招かないためにも日頃から適度な運動を心掛けましょう。

ストレス

ストレスを強く感じると自律神経のひとつ、交感神経が刺激され「カテコールアミン」と「コチゾール」というホルモン分泌が活発化します。このホルモンは中性脂肪の合成を促進するだけでなく、体内の血糖値を上昇させます。血糖値が上がると体内が中性脂肪をつくりやすい環境になってしまうので、ストレスは中性脂肪を合成、貯蔵する相乗効果を生んでしまいます。

その他、糖尿病、腎臓病、肝臓病などの病気に起因するもの、ステロイド系ホルモン、利尿薬、経口避妊薬などの薬に起因するもの、加齢にともなう基礎代謝量の低下、女性ホルモンの減少など中性脂肪が上がる原因は様々ありますが、中性脂肪は大きな病気の温床となります。日頃から生活習慣に気をつけ、自分の健康と向き合う生活が大切です。