中性脂肪とアルコール

「酒は百薬の長」と言われるように適度なお酒は、血行を良くし、善玉コレステロールが増え、リラックス効果でストレス解消にもつながるため健康に良い効果があります。しかしアルコールの飲みすぎは肝臓での中性脂肪合成を促進し、血液中の中性脂肪を増加させてしまうので、飲みすぎは厳禁!適量を美味しく飲むよう飲酒の習慣をつけることが大切です。

アルコールを飲みすぎると肝臓では脂肪酸の合成が活発になり、脂肪酸が増えます。脂肪酸をを原料にして中性脂肪が作られ肝臓で作られた中性脂肪は血液へと流れ込み、血中の中性脂肪を増やしてしまいます。

アルコールは体内に蓄積されることはないため、分解処理を行う肝臓は働き続けますが、アルコールの分解量が多いと脂肪分解にまで手が回らず肝臓に脂肪が蓄積されてしまいます。飲酒をしてから約12時間後に肝臓で中性脂肪が合成されはじめますが、合成された脂肪が細胞に運ばれて肝臓が空っぽになるにはさらにその後12時間を要します。毎日晩酌を重ねていると、アルコール分解に忙しい肝臓は脂肪処理能力が限界を超え、脂肪を貯めこみすぎて脂肪肝、進行して肝硬変、悪化して肝臓ガンを招いてしまいます。適度に休肝日が必要です。

中性脂肪は脂肪分を多く含む食べ物からの摂取の他、体内でも合成されて蓄積されていきます。脂肪と糖質、一見全く違う栄養成分ではありますが体内合成により中性脂肪が蓄積する場合は、「糖質」が中性脂肪を作る材料になります。アルコールは糖質なので、飲みすぎはエネルギーの過剰摂取につながるだけでなく中性脂肪も増やします。またアルコールと一緒に出されるおつまみには味が濃厚なもの、うま味成分の多い高カロリーなものが多く、アルコールの食欲増進効果と重なって食べ過ぎてしまいがちです。

アルコールは適量にし、休肝日(アルコールを飲まずに肝臓を休める日)をもうけて飲む回数を減らすことが肝要です。1日アルコールで25g以内、ワイン;グラス2杯、ウイスキー;シングル2杯、日本酒;1合、ビール大びん;1本を目安としましょう。

毎日健康で時にはアルコールで美味しく息抜きを楽しむためにも日頃から中性脂肪のコントロールに努めましょう。主食、お酒、油もの、果物、甘いものの食べすぎには注意し、青魚、海藻、野菜を取り入れたバランスの良い食事が大切です。食事の管理が難しい人、忙しい毎日の中で効率的に中性脂肪を管理したい人は中性脂肪を下げる効果のあるDHAやEPAを配合したサプリメントや栄養補助食品を上手に利用することをオススメします。