中性脂肪の役割

中性脂肪は私たちの体内では皮下(皮下脂肪)や内臓(内臓脂肪)に蓄えられ、豚肉や牛肉で言えば白く見える脂身の部分になります。 中性脂肪の主な役割は、私たちの生命維持や活動に必要なエネルギー源の貯蔵です。私たちは普段、糖質を活動のエネルギー源としていますが、エネルギー供給が充分に得られなかった時、運動をしてエネルギーをたくさん使った時などには、貯蔵しておいた中性脂肪が活動エネルギーとして使われます。

中性脂肪は、3つの脂肪酸とグリセロールが結合して構成されています。普段は皮下や内臓の脂肪細胞に貯えられエネルギーの貯蔵と温存に努めますが、必要に応じて分解されて脂肪酸になります。中性脂肪から離れた脂肪酸は遊離脂肪酸と呼ばれ、すぐに活動に使うことのできる効率的なエネルギーです。体のエネルギーが不足すると中性脂肪が分解されて遊離脂肪酸となり、血液に混ざって体内を循環しエネルギーとして使われます。 中性脂肪は貯蔵のための脂肪ですが、エネルギーの枯渇状況に応じて分解され即効性のあるエネルギー、遊離脂肪酸を作り出しているのです。

また皮下の中性脂肪には、体温を一定に保ちます。私たちは生命を維持するために、体温の調節が必要になりますが、皮下脂肪は体の放熱をコントロールして寒い時は体温がうばわれないように、暑い時には外気温が体内に伝わりにくくする断熱材的機能があります。 さらに内臓脂肪は、内臓の位置を正しく保ち、外部から受ける衝撃やケガから内臓を守る緩衝材的機能を持ちます。

体温調節、衝撃防御、生命活動のためのエネルギー貯蔵など多くの役割を果たす中性脂肪ですが、過剰に増えすぎると健康を害す原因にもなります。脂質や糖質の摂り過ぎ、加えて運動不足によるエネルギー消費が不足した状態が続くと、中性脂肪が必要以上に脂肪組織に蓄えられ太りすぎや肥満になり、血液中の中性脂肪が増えすぎて高脂血症、中性脂肪が肝臓にたまることで脂肪肝、など様々な疾患を引き起します。

中性脂肪は食べ物からの摂取の他、体内で合成され蓄積されていきます。体内合成による脂肪蓄積ケースでは、糖質が基になります。お菓子や果物などに含まれる単純糖質は吸収されやすく、摂りすぎると余剰分は肝臓へ送られ遊離脂肪酸と一緒に蓄積しやすい中性脂肪に合成され貯えられていきます。日頃から食生活の管理に気を配り、必要な場合には中性脂肪を下げるサプリメントや栄養補助食品を取り入れていきましょう。