中性脂肪はいわばエネルギーの貯蔵庫。食べすぎによる脂質や糖質の摂り過ぎ、運動不足によるエネルギー消費が不充分な状態が続くと余った脂質、糖質も肝臓で合成されて脂質となり、皮下や内臓に貯えられます。 肥満とは正常な状態に比べて体重が多い状態、あるいは前述したよう中性脂肪が細胞組織に過剰に蓄積された状態を言います。肥満の判定は、身長あたりの体格指数(BMI)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で算出され、この体格指数が25を超えると肥満と診断されます。肥満は糖尿病、高脂血症、高血圧の最大の危険因子で、これらが合併すると動脈硬化を経て、血管や心疾患を起こしやすくなることから「死の四重奏」と不気味に言われる恐い病気です。
肥満のタイプは大きく2つに分けられます。
ひとつはりんご型(上半身肥満)と言われるタイプで主にお腹から上に脂肪がたまるタイプで男性に多く見られる肥満です。このタイプの肥満は内臓脂肪型肥満とも言われ、生活習慣病を引き起しやすいと肥満型です。
もうひとつは洋ナシ型(下半身肥満)と言われるタイプでお腹から下に脂肪がたまるタイプで女性に多く見られる肥満の典型です。どちらにしても肥満は身体に負担をかけ、あらゆる病気にとって好ましくありません。生活習慣を改善するなどして中性脂肪コントロールとともに肥満を解消していくことが必要です。
肥満と中性脂肪の問題点は、太れば太るほど中性脂肪が増えていくことです。脂肪組織で中性脂肪が多くなると、中性脂肪は脂肪酸に分解されて肝臓へ運ばれます。肝臓では運ばれてきた脂肪酸を材料に中性脂肪が合成され、血液中に放出されます。中性脂肪は血液にのって全身を巡り、エネルギーとして使われなかったものは体各部分で再度脂肪組織に取り込まれ、蓄積していきます。肥満は促進され、中性脂肪が脂肪を増やす悪循環を招きます。