中性脂肪と腎臓の関係には、腎臓疾患による中性脂肪の異常な上昇が生じるケースと、中性脂肪による動脈硬化が腎不全、腎疾患を引き起しているケースがあります。
腎臓疾患による中性脂肪の異常な上昇が生じるケース
ネフローゼ症候群
腎臓の主な機能は「尿をつくる」ことですが、ネフローゼ症候群を発症すると、健康時には血液中にとどまるタンパク質が尿中に流入し体外へ排出されてしまいます。血液中のタンパク質が少なくなると肝臓ではアポタンパク(タンパク質の一部)の合成が活発になり、同時にコレステロールも作られて中性脂肪も増加します。
慢性腎不全
腎臓機能が低下し正常に働かなくなると体に老廃物が溜まり命に関わる病気に進行します。腎不全では中性脂肪を分解する酵素の働きが落ちるため、血液中の中性脂肪が増加します。
中性脂肪から動脈硬化へ進行し腎不全、腎臓疾患を発症
腎硬化症
腎臓が尿中に体内の老廃物を排出する働きをすることで私たちの体は浄化され、新鮮な血液が循環します。老廃物の排出は、腎臓内の細い血管でろ過することによって行われており、腎臓はいわばこの細い血管のかたまりです。細い血管は詰まりやすく、この部分に動脈硬化を生じると血流が悪くなり、ろ過機能が低下して腎硬化症になります。
高尿酸血症
血液中に尿酸が多量に流入している状態です。健康状態で尿酸は腎臓から老廃物として体外へ排出されますが、血液中に針状の結晶をつくって体の節々に痛みを引き起します。血液中の中性脂肪が増え動脈硬化が腎臓機能の低下を招くと、尿酸の排泄が上手くいかなくなり、高尿酸血症を招きます。