中性脂肪とリパーゼ

リパーゼとは膵臓から分泌される脂肪分解酵素

リパーゼとは膵臓から分泌される脂肪分解酵素のひとつで、中性脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解する働きがあります。何らかの因子によりリパーゼの量が少ないと脂肪が分解されず中性脂肪が貯まっていきますが、リパーゼを上手く活性させることで効率よく燃焼し中性脂肪を減らすことができます。
リパーゼは膵臓でつくられ十二指腸乳頭部に運ばれていきます。十二指腸乳頭部に運ばれる経路で異常があるとリパーゼは血液中に漏れ出し、血液中の濃度が上昇することになります。

リパーゼの値が高いときに考えられる病気

リパーゼの基準値は11~53IU/lになります。
突然リパーゼの数値が4~5倍にあがったときは急性膵炎、
2~3倍まで高くなり持続するときは、
慢性膵炎、すい臓がん、膵嚢胞の可能性があります。

中性脂肪とリパーゼの関係

中性脂肪は、3つの脂肪酸とグリセリンが結合して構成された脂肪です。普段は皮下や内臓の脂肪細胞に貯えられ、エネルギーの貯蔵・温存に努めますが、運動によりたくさんエネルギーを要する時、エネルギー摂取量が不充分で体温調節や活動にエネルギーを要する時など、必要に応じて分解され、脂肪酸になり血液中に流出します。中性脂肪から離れた脂肪酸を遊離脂肪酸と呼び、すぐに活動に使うことのできる効率的なエネルギーに変わります。この脂肪分解の過程で必要になるのが脂肪分解酵素、リパーゼの働きです。

中性脂肪にはリパーゼの働きを活性させることがポイント

中性脂肪は貯蔵のための脂肪ですが、エネルギーの枯渇状況に応じて分解され遊離脂肪酸となって燃焼します。中性脂肪の状態ではエネルギーとして燃焼しないため、いかにリパーゼの働きを活性し中性脂肪から遊離脂肪酸を引き出すかが脂肪燃焼のポイントです。

脂肪分解の過程ではまず、エネルギー源には使われる順序があります。始めに糖エネルギーである血液中のグルコースや筋肉中のグリコーゲンが消費され、体内の糖エネルギーがなくなると、必要に応じて脂肪が使われます。脂肪は本来貯蓄エネルギーとしての役割があるため、必要に迫られなければ使われません。貯まった脂肪を分解し、使うためには体内の糖エネルギーが不足した状態を作ることが必要です。そこで有効なのが20〜30分の有酸素運動です。

リパーゼが活発に働くと中性脂肪も効率よく燃焼できる

20分程度の有酸素運動を行うことで、体内の糖エネルギーを使い果たし、脂肪からエネルギーを必要とします。リパーゼは低温では活性が鈍りますが、20、30分運動することで体も適度に温まりリパーゼの働きが良くなります。リパーゼが活発に働くと脂肪分解もスムーズに進み効率よく燃焼することができます。

中性脂肪を減らすため有酸素運動をすることは効果的な手段のひとつですが、運動に加えて体の脂肪量と食事は大きく影響しているため、バランスの良い食生活をすることが大切です。中性脂肪が気になるが食事管理が難しい人は、中性脂肪を下げるDHAやEPA配合の効果的なサプリメントや栄養補助食品を上手に利用することを心掛けましょう。