中性脂肪と大豆

大豆は「畑のお肉」といわれるように良質なたんぱく質に富み、カルシウム、ビタミン、カリウム、鉄分といったミネラル分をたくさん含んでいます。さらに大豆にはイソフラボン、サポニン、ペプチドと呼ばれる機能性成分が含まれ、血液中の脂質改善、低カロリーで肥満改善に作用、骨粗しょう症や更年期症状を軽減するなど健康と生活習慣病全般にわたって効果的な食品です。

特に大豆に含まれる良質なたんぱく質は血液中の中性脂肪やコレステロールを低下し血液をサラサラにすることで動脈硬化を予防します。大豆のたんぱく質は、脂肪を分解する消化液・胆汁酸と結合しやすい性質を持ちます。胆汁酸はコレステロールを原料に肝臓で作られる消化液で、腸管で機能を果たすと本来は肝臓へ戻りますが、大豆たんぱく質はこの胆汁酸と結びつき便とともに排泄してしまいます。肝臓は不足した胆汁酸を補おうと血液中のコレステロールを積極的に使うため、コレステロール値は下がります。

さらに大豆たんぱく質のβ-コングリシニンには脂質と吸着し体外へ排泄、脂肪分の合成を抑える、脂肪を燃焼するなどの作用を持つことが分かってきており、大豆や大豆を使った食品を食べることで中性脂肪の低下が期待できます。

中性脂肪は体内で体温調節、衝撃防御、活動エネルギーの貯蔵など人間の生命維持活動に多くの重要な役割を果たしますが、過剰に増えすぎると健康を害す原因になります。脂質や糖質の摂り過ぎ、加えて運動不足などで中性脂肪が必要以上に脂肪組織に蓄えられると、太りすぎや肥満になるだけでなく、血液中の中性脂肪が増えすぎて高脂血症、中性脂肪が肝臓に貯まり機能が低下する脂肪肝、血液・血管に負担がかかり動脈硬化など様々な疾患を引き起します。