中性脂肪と自覚症状

中性脂肪の値が150mg/dl以上になると血液中の中性脂肪量が正常値を超え、脂質異常症(高中性脂肪血症)と診断されます。しかし中性脂肪値が正常値を超えたとしても特に主だった症状はなく、健康診断などの血液検査によって診断されるケースがほとんどです。

中性脂肪で気をつけなければならない大きな理由は、病気が進行していても自覚症状に乏しいため、つい放って置いてしまいがちになってしまうことです。体調に異変を感じ、症状が表面化してくる頃には、病気が進行しており突然生死を分かつ場面に直面するというケースが少なくありません。

中性脂肪が増えて血液が不健康、肝臓に負担がかかっていても自覚症状はほとんどありません。 中性脂肪とコレステロールが増えすぎた脂質異常症では、血液中の脂質分が多くなって粘性を増し血液はドロドロの状態ですが、痛みもなく生活に支障を感じることもないでしょう。この状態が長く続くと血管内壁には脂質が沈着し動脈の壁が厚くなり動脈硬化を進行させてしまいます。 肝臓の細胞に中性脂肪が過剰になり蓄積されることで、肝臓の働きが悪くなる脂肪肝。「沈黙の臓器」と言われる肝臓の病気の通り、初期の段階では無症状に近い状態です。何も知らないままに病気は体を蝕み、慢性肝炎、肝硬変、肝臓ガン…症状が表面化した時には致命的な状態です。

いくら自覚症状がないとは言え、身体は負荷がかかり、異常をきたしている状態であれば何らかのサインを必ず発しています。「痛みがないから大丈夫」「これぐらいは我慢できる」などと過信せず、自分の身体が発するサインを見逃さないようにしましょう。自分の健康状態と最近の生活習慣を照らし合わせて見るのも効果的です。 日頃から定期的な健康診断を健康のバロメーターにするなど健康に関心を持ち、健康と向き合うことを習慣化することが大切です。そして大きな病気を招く前に、規則正しい生活、バランスのとれた食生活、適度な運動を心掛けることましょう。