この記事でわかること
- 高齢者の脂質は「若い時と別軸」で考える3つの理由
- 年齢別の考え方マトリクス(65〜74歳・75歳以上・フレイル期の読み分け)
- 一次予防と二次予防(心血管イベントの既往の有無)の区別がなぜ重要か
- ポリファーマシー(多剤併用)と脂質薬・サプリの相互作用の注意点
- ADL(自立/半介助/要介護)別の食事と運動の現実的な進め方
公的情報源: 日本老年医学会「高齢者脂質異常症診療ガイドライン2017」(参照)/日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」(参照)/厚労省 e-ヘルスネット「脂質異常症」(参照)
結論を先に書きます
高齢者の中性脂肪・コレステロールは、若年層・中年層とは別軸で考える必要があるとされています。「数値を下げること」自体が目的化しやすい点に注意が必要です。
理由は、ガイドライン上、75歳以上の一次予防では脂質低下療法のエビデンスが限定的とされ、個別判断が前提になっているからです。さらに多剤併用や、フレイル・低栄養との両立も問われます。年齢と既往歴の2軸で読み分けるのが、混乱を避ける出発点になります。
- 65〜74歳は中年期に近い考え方、75歳以上の一次予防は個別判断が前提とされる
- 二次予防(心筋梗塞・脳梗塞などの既往あり)は年齢を問わず継続が基本とされる
- 脂質薬の継続・中止・減量は自己判断せず主治医・薬剤師と再評価する
- 食事は「減らす」より「内訳を整える」。たんぱく質を落としすぎないことがフレイル予防の鍵
本記事は、高齢者の脂質に関する公的ガイドラインの公開情報を、家族や本人が迷いやすいポイントに絞って整理したものです。診断・治療・服薬の代替ではありません。
なぜ高齢者の脂質は「若い時と別軸」で見る必要があるか
高齢者では「数値を下げること」自体が目的化してはいけない場面が増える、というのがガイドラインの読み方です。若年・中年期とは前提が変わります。
中性脂肪(TG)とLDLコレステロールは、若年・中年期では動脈硬化のリスク因子として広く扱われてきました。厚労省 e-ヘルスネットでも、空腹時TG 150mg/dL以上、LDLコレステロール140mg/dL以上などが脂質異常症の診断基準として示されています(2026年6月閲覧)。
別軸で考える理由は、大きく3つあります。
- 75歳以上の一次予防はエビデンスが限定的:日本老年医学会のガイドラインで、画一的な目標値ではなく個別判断が前提とされる
- 多剤併用(ポリファーマシー)が珍しくない:高血圧・糖尿病などを併せ持ち、脂質薬の継続が他の薬との兼ね合いで再検討される場面がある
- フレイル・サルコペニアとの両立:痩せすぎ・低栄養・たんぱく質不足は要介護リスクを上げる方向に働きうる
高齢者の脂質管理は、「下げること」と「フレイルを進めないこと」の天秤が常に課題になります。年齢・既往・栄養状態を総合して評価するのが基本路線です(参考:厚労省 e-ヘルスネット「フレイル」/「サルコペニア」)。
年齢別の考え方マトリクス|65〜74歳・75歳以上・フレイル期
「80歳でLDLが160あるが、目標は120なのか」――この疑問はよく聞かれます。年齢と既往歴で「どこを目指すか」のラインが変わる、というのがガイドラインの整理です。
| 区分 | 対象 | 基本方針(ガイドラインの整理) |
|---|---|---|
| 前期高齢者(65〜74歳) | 既往なし | 中年期と同様にリスク層別化。生活習慣改善+必要に応じ薬物療法を検討 |
| 後期高齢者(75歳以上)一次予防 | 既往なし | エビデンスが限定的。画一的な目標値でなく個別判断が前提 |
| 後期高齢者(75歳以上)二次予防 | 心筋梗塞・脳梗塞等の既往あり | 再発予防の治療が推奨される場面が多い |
| フレイル・要介護期 | 身体機能低下・低栄養等 | 脂質低下より栄養維持・ADL維持を優先する判断が増える |
出典: 日本老年医学会 高齢者脂質異常症診療ガイドライン2017/日本動脈硬化学会 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版(2026年6月閲覧)を参考に整理。個別の判断はかかりつけ医にご相談ください。
中年期の基準で詰めて栄養状態を落としてしまう、逆に「高齢だから」と二次予防の薬を自己判断で中止してしまう――どちらも避けたいパターンです。「年齢」と「既往の有無」の2軸で読み分けるのが第一歩になります。
一次予防と二次予防の区別が重要な理由
「一次予防」とは、まだ心血管イベント(心筋梗塞・脳梗塞・狭心症など)を起こしていない方のリスクを下げる予防です。「二次予防」は、すでにこれらを経験した方の再発を防ぐ対応を指します。
日本動脈硬化学会のガイドラインでは、二次予防は年齢を問わずLDLコレステロールをより厳格に管理する方向で示されており、75歳以上でも基本的に変わりません。一方、一次予防は年齢による考え方の違いが大きく、後期高齢者では画一的に下げるのではなく個別判断が前提です。この区別が、高齢者の脂質を考えるうえで最初に押さえる論点になります。

ポリファーマシー(多剤併用)と脂質薬の考え方
脂質管理で避けて通れないのが、多剤併用(ポリファーマシー)の問題です。日本老年医学会「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」では、薬剤数が6剤以上で有害事象(副作用)が増える傾向が指摘され、不要な薬の整理が推奨されています(2026年6月閲覧)。
| 場面 | 整理されている考え方 |
|---|---|
| 二次予防でスタチン服用中 | 継続が基本。自己判断の中止は再発リスクを上げる方向に働きうるため主治医に相談 |
| 一次予防・80歳以上で栄養状態低下 | 継続・減量・中止は主治医の再評価が推奨される場面。低栄養時は栄養維持を優先する判断が増える |
| フィブラート系を服用・腎機能低下 | 用量調整や中止が検討される場面。定期的な腎機能の検査が前提 |
| EPA製剤と抗血小板薬を併用 | 出血傾向のリスクが上がりうるため処方医・薬剤師が定期的に状態を確認 |
| スタチン服用中に筋肉痛が出現 | 重い副作用の可能性もあり、症状があれば速やかに処方医・薬剤師に相談 |
| 複数医療機関でお薬手帳が複数冊 | かかりつけ薬剤師に1冊へまとめてもらう流れが勧められる |
出典: 日本老年医学会 高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015/高齢者脂質異常症診療ガイドライン2017(2026年6月閲覧)を参考に整理。
薬の継続・中止・減量は、処方医と薬剤師に相談してから判断するのが安全な流れです。SNSや健康番組の「飲まない方がいい」といった情報をもとに、本人や家族が独断で薬をやめてしまうのは、特に二次予防の方では再発リスクの観点で問題になりかねません。
「かかりつけ薬剤師」を1人に集約する意義
複数の医療機関にかかると、お薬手帳が複数冊になり、それぞれの医師が他で出ている薬を把握しきれないことがあります。
かかりつけ薬剤師を1人決め、すべての薬を1つの薬局で受け取ると、相互作用のチェック・重複処方の防止・服薬の総合管理が機能しやすくなります。脂質薬を始めるとき、サプリやトクホを始めるときも、まず相談しておくと安心です。
食事の現実解|ADL別アプローチ(自立/半介助/要介護)
「脂質を下げる食事=ご飯と肉を減らす」と理解されている方は少なくありません。中年期では有効な場面もありますが、高齢者では食事制限の方向性そのものを見直す必要があります。ADL(日常生活動作の自立度)別に整理します。

| ADL区分 | 食事アプローチ | 優先する栄養素 | 注意したい落とし穴 |
|---|---|---|---|
| 自立 | 脂質の質を整える(青魚・植物油)/揚げ物・菓子パン・加工肉の頻度を見直す | たんぱく質・食物繊維・EPA/DHA | 「肉を減らせばいい」と総量を落とす |
| 半介助 | 食べやすさを優先しつつ毎食たんぱく質を含める/作り置き・宅配食の活用 | たんぱく質・カルシウム・鉄・ビタミンD | 柔らかいものばかりで栄養が偏る |
| 要介護 | 脂質低下より栄養維持・嚥下安全を優先/嚥下調整食 | エネルギー総量・たんぱく質・水分 | 数値を優先しすぎて低栄養を進める |
出典: 厚労省 e-ヘルスネット「フレイル」/厚労省 高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン(第3版)(2026年6月閲覧)を参考に整理。
高齢者の食事は「減らす」より「内訳を整える」が基本です。たんぱく質は加齢で体内合成効率が落ちるとされ、若年期より意識して摂る必要があります(参考:厚労省 日本人の食事摂取基準2020年版)。「肉を減らす」よりも「揚げ物を控え、青魚や蒸し料理を増やし、たんぱく質は残す」方向が、フレイル予防と両立しやすくなります。
「青魚」が高齢者にとっても主軸になる理由
EPA・DHAは青魚(イワシ・サバ・サンマ・アジなど)に多く含まれる脂肪酸で、中性脂肪との関連が一般的に整理されています(参考:日本動脈硬化学会 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版)。
高齢者にとっても青魚は、たんぱく質・EPA/DHA・カルシウム(小魚なら骨ごと)を同時に摂れる現実的な主菜です。週2〜3回の青魚は、フレイル予防と脂質管理を両立する一手として取り入れやすいでしょう。魚を毎日食べるのが難しい場合の補助の選び方は、中性脂肪対策のサプリ・栄養補助食品の比較でも整理しています。
運動の現実解|サルコペニア・フレイル予防との両立
「中性脂肪を下げるために散歩を1日1時間」という話もよく聞きますが、高齢者では有酸素運動だけでは筋肉量の維持に不十分とされています。厚労省 e-ヘルスネット「サルコペニア」でも、加齢に伴う筋量・筋力の低下が要介護リスクと関連するとされ、レジスタンス運動(軽い筋力トレ)の重要性が指摘されています(2026年6月閲覧)。
- 有酸素運動:ウォーキング・ラジオ体操など。1回20〜30分を週3〜5回が目安
- レジスタンス運動:椅子でかかと上げ、立ち座り、ペットボトル上下など。週2〜3回。フレイル予防の主軸
- バランス運動:壁につかまっての片足立ち、太極拳など。転倒予防の観点でも重要
- 柔軟運動:ストレッチで動作の幅を維持する
ポイントは無理せず続けられる強度で組むことです。「毎日1時間」で1か月で挫折するより、「週3回・1回20分」を続ける方が結果につながりやすいとされます。詳しい組み立て方は中性脂肪を下げる運動・ジムの選び方も参考になります。
転倒・関節痛・心疾患がある場合の注意
運動を始める前に、循環器・整形外科・かかりつけ医に相談してから強度を決めるのが安全です。心筋梗塞・狭心症の既往がある方、膝関節症・腰部脊柱管狭窄症がある方、不整脈で運動制限を受けている方は、自己判断で強度を上げないことが大切です。判断は医師にご相談ください。
高齢者×サプリ・トクホ・機能性表示食品の落とし穴
「テレビで紹介されていたサプリを親に勧めたいが、薬と併用して大丈夫か」――家族からよく寄せられる質問です。出発点として、サプリ・トクホ・機能性表示食品はすべて医薬品ではなく食品であり、効能効果の表現にも範囲があります。
特に注意したい組み合わせを整理します。
| 組み合わせ | 注意したい点 |
|---|---|
| EPA/DHAサプリ × 抗血小板薬・抗凝固薬 | 出血傾向のリスクが上がりうる。必ず処方医・薬剤師に相談 |
| 紅麹サプリ × スタチン | スタチン様成分を含むことがあり処方薬と重複の可能性。安全性も含め主治医に相談 |
| グレープフルーツ × スタチン | 薬の血中濃度が上がりうる。説明書の飲み合わせ注意を確認 |
| セントジョーンズワート × 多数の薬 | 多くの薬の血中濃度を下げる方向に働くとされる。始める前に薬剤師に相談 |
| 青汁・健康茶 × 抗凝固薬 | ビタミンKを多く含む製品は薬の効きを弱めうる。成分表を確認 |
出典: 国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報/消費者庁 機能性表示食品データベース(2026年6月閲覧)を参考に整理。
サプリや健康食品を新しく始めるときは、お薬手帳と一緒にかかりつけ薬剤師に相談するのが安全です。「食品だから薬とは関係ない」という思い込みが、最も警戒されやすい誤解です。トクホと機能性表示食品の違いはトクホと機能性表示食品の違いでも整理しています。
「効果を保証する」表現に振り回されないために
「○○を飲めば中性脂肪が下がる」「○日で下がった」といった表現は、薬機法・景品表示法の観点から問題がある可能性があります。食品は医薬品ではなく、「下げる」と保証する表現はできないラインがあります。
トクホ・機能性表示食品の標準的な表現は「上昇をおだやかにする」「○○が気になる方に適する」といった範囲です。SNSや個人ブログの「私はこれで下がった」は個人の体験談であり、商品の効能としての保証ではありません。この区別を持っておくと、情報に振り回されにくくなります。
健診結果が返ってきたあとの動き方|何科に・どのタイミングで
「健診で中性脂肪が400だったが、すぐ病院に行くべきか」という相談もあります。緊急性の目安と、どの科にかかるかを整理します。

| 健診結果の状態 | 想定される対応の方向性 |
|---|---|
| TG 150〜299/LDL 140〜179 | 生活習慣の見直しと3〜6か月後の再検査が一般的。かかりつけ医(内科)で相談 |
| TG 300〜500/LDL 180以上 | 早めに内科・循環器内科などを受診。薬物療法の必要性を主治医と検討 |
| TG 500以上 | 急性膵炎リスクとの関連が指摘される領域。速やかに受診 |
| 心血管イベントの既往あり | 二次予防として循環器内科で継続管理。脂質薬を自己判断で中止しない |
| 数値+体調変化(胸痛・呼吸困難等) | 急性疾患の可能性。救急対応が必要な場合がある |
出典: 厚労省 e-ヘルスネット「脂質異常症」/日本動脈硬化学会 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版(2026年6月閲覧)を参考に整理。緊急性の判断は医師にご相談ください。
数値だけを見て自己判断しないことが大切です。年齢・併存疾患・既往歴・体調を総合して見るのが医療の判断です。どの科か迷うときは、まずかかりつけ医(または地域の総合内科)に相談し、必要に応じて専門科を紹介してもらう流れが現実的です。受診の目安は中性脂肪が高いときの病院・受診の目安でも整理しています。
離れて暮らす家族・介護者の動き方
離れて暮らす親の脂質を心配する家族・介護者の相談は多くあります。離れているからこそできること・できないことを整理します。
- 健診結果票を一緒に確認:数値だけで一喜一憂せず、年齢・既往歴を踏まえてかかりつけ医につなぐ
- お薬手帳を1冊にまとめてもらう:かかりつけ薬剤師に集約を促す。ポリファーマシー対策の入口
- 食材・宅配食の差し入れ:「肉を減らさせる」より「魚と野菜を足す」
- 運動の付き合い:帰省時に一緒に歩く、電話で続いているか確認する
- 受診への同行:医師の説明を一緒に聞くと薬やサプリの相談がしやすい
- 自己判断での薬の中止に注意:SNSや週刊誌で薬をやめてしまう例がある。二次予防中は特に主治医への相談が必須
逆に注意したいのが「画一的な情報を押し付けない」ことです。見聞きした方法を強要したり、サプリを大量に送ったり、脂質制限を厳しすぎるレベルで指示したりすると、食欲が落ちて栄養状態が悪化することがあります。親の自立性を尊重しながら、ガイドラインの基本線を共有するのが現実的な動き方です。
よくある質問
高齢者の脂質について、迷いやすい質問を整理します。
Q1:親が80歳でLDLが160あります。薬を飲んだ方がいいですか?
年齢と既往の有無で判断が変わります。心血管イベントの既往がある二次予防では薬物療法の継続が推奨される場面が多い一方、既往のない一次予防では75歳以上のエビデンスは限定的とされ、個別判断が前提です(日本老年医学会 高齢者脂質異常症診療ガイドライン2017)。判断は主治医にご相談ください。
Q2:親がフレイル気味なのに「肉を減らせ」と言われました。減らしていいですか?
フレイル・サルコペニアの予防の観点では、たんぱく質の摂取は重要とされています。「肉を減らす」が「たんぱく質総量を落とす」になっていないかは、医師・管理栄養士に再確認すると安心です。揚げ物の頻度を減らすのか、たんぱく質源を減らすのかでは方向が異なります。
Q3:スタチンを長年飲んでいる親が、副作用が怖いとやめたがっています。
長期服用中の自己判断による中止は、特に注意が必要です。既往の有無で判断が大きく変わり、二次予防中であれば中止リスクは無視できません。「中止していいか」「減量で対応できるか」を主治医に相談する流れが推奨されます。判断は医師にご相談ください。
Q4:親のお薬手帳が3冊あります。どうすべきですか?
かかりつけ薬剤師を1人決めて、すべての薬を1つの薬局で受け取る流れに集約するのが勧められます。薬剤数が増えると副作用リスクが上がる傾向が指摘されており(日本老年医学会 高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015)、1冊にまとめて相互作用・重複処方をチェックしてもらうのが第一歩です。
Q5:EPA・DHAサプリを高齢の親に勧めたいです。安全ですか?
EPA・DHAは中性脂肪との関連が一般的に整理されていますが、抗血小板薬・抗凝固薬を服用中の方では出血傾向のリスクが上がる方向に働きうるとされています。新しく始める前に、必ずお薬手帳と一緒にかかりつけ薬剤師に相談するのが安全な流れです。
Q6:親に運動させたいですが、転倒が心配です。何から始めればいいですか?
強度を急に上げないこと、循環器・整形外科に既往がある方は医師に相談してから始めること、椅子に座っての運動から始めることが基本です。「椅子でかかと上下」「立ち座り10回」など転倒リスクの低い運動から段階的に進め、徐々にウォーキングを組み合わせる流れが現実的です。判断は医師にご相談ください。
Q7:親が「テレビで紹介されていたサプリを飲みたい」と言っています。
頭ごなしに否定するより、かかりつけ薬剤師に成分・現在の処方との相互作用を確認してもらってから判断するのが安心です。テレビCMや通販番組の情報には誇張が含まれることがあり、薬機法・景品表示法の観点でも注意が必要です。
Q8:親の中性脂肪が500を超えました。すぐに病院に行くべきですか?
中性脂肪500以上は急性膵炎リスクとの関連が指摘されている領域です。腹痛・吐き気などの症状がある場合は、早急な受診が必要な場面もあります。速やかにかかりつけ医・内科を受診することが勧められます。判断は医師にご相談ください。
まとめ:高齢者の脂質は「全体のバランス」で整える
高齢者の脂質コントロールの考え方を、最後に振り返ります。
- 高齢者の脂質は「下げること」と「フレイルを進めないこと」の天秤で考える
- 65〜74歳は中年期に近い管理、75歳以上の一次予防は個別判断。二次予防は年齢を問わず継続が基本
- 脂質薬・サプリの継続/中止/併用は自己判断せず主治医・薬剤師と再評価する
- 食事は「減らす」より「内訳を整える」。たんぱく質を残し、青魚・植物油・野菜を増やす
- 運動は有酸素+レジスタンス運動でサルコペニア・フレイル予防と両立する
高齢者の脂質管理は、特定の数値をどう下げるかよりも、全体の生活の質と長く付き合うバランスをどう整えるかが軸になります。数値・目安はあくまで一般的な整理であり、個別の食事設計・運動強度・薬やサプリの判断は、かかりつけ医・主治医・薬剤師・管理栄養士にご相談ください。
免責事項
※本記事は公開情報をもとにした整理で、医療行為・診断を目的としたものではありません。高齢者の脂質管理は年齢・既往歴・併存疾患・栄養状態・ADL・服薬状況により個別判断が前提となります。服薬中の方、合併症のある方、フレイル・低栄養・嚥下機能の低下がある方は、自己判断せず必ずかかりつけ医・主治医・薬剤師・管理栄養士など専門家にご相談のうえ、公式・公的機関の最新情報もあわせてご確認ください。
