中性脂肪が低すぎるとどうなる?改善が必要?

中性脂肪の値が低くてもほとんどの場合問題ありません

一般に中性脂肪の正常値は50〜149mg/dl内とされており、150mg/dl以上は高中性脂肪血症、30mg/dl以下を低中性脂肪血症と診断されます。中性脂肪が低くても特別な治療や大きな心配はいりませんが、中性脂肪が極端に低いということは身体に貯蔵エネルギーがない、必要充分な栄養素が足りていないことであり、身体機能に影響が出てくることは否めない状態であることはあるかと思います。健康診断の結果が返ってきて血中脂質検査で、トリグリセライド(中性脂肪TG)値が30mg/dl程度と基準値より低い数字が出て、血中脂質に軽度の異常が認められますとの判定が記載されていると驚いたりすることもあるかと思いますが、ほとんどの場合、全く問題はない状態ですので、中性脂肪低すぎるということに必要以上に心配しないようにしましょう。

中性脂肪は低すぎても問題ない場合が多い

中性脂肪の低い方のほとんどのは健康面で全く問題がないことが多いようです。中性脂肪は低いよりもむしろ高い場合の方が問題なので、検査結果の数値が30mg/dl程度であればあまり気にしなくて良い数値といえます。
一つの判断基準として、以前から継続的に低い数値なのかも見て中性脂肪の数値を総合的に判断するようにしましょう。同じ値が継続的でているようであれば全く問題ないと思います。

中性脂肪値は食事によって大きく変化する

中性脂肪(TG)に影響する要因になるのは普段の食事の影響です。中性脂肪(TG)を検査する場合、通常午前中の空腹時に採血をします。
食事の後中性脂肪の数値は、摂取後4~8時間をピークとするカーブを描きますが、中性脂肪の数値は食事影響が大きく、食べるもののよって大きく変わってきます。通常中性脂肪の摂取量が多い場合は早期(1~2時間)に血中で増加します。
中性脂肪は、アルコールの影響もみられ、飲酒歴の長いお酒の好きな人ほど中性脂肪(TG)が高い傾向にあります。また肥満傾向の方も当然中性脂肪の数値が高い傾向があります。
血糖(GLU)や中性脂肪(TG)は、食事による影響を受けやすい血液検査項目で、食事で摂取される脂肪のほとんどが、中性脂肪で血中に入り、肝臓でも中性脂肪が合成されます。
中性脂肪は体のエネルギー源として利用され流ので低すぎるとリポ蛋白血症、肝硬変などの肝疾患や甲状腺機能亢進症、下垂体機能低下症などが考えられる場合もあります。ですが血液検査は普通食事や日常生活の過ごし方で、大きく数値が変わるので注意してみる必要があります。

中性脂肪の数値が低い場合上げる必要はある?

中性脂肪の数値が低くても特に数値を高くするような努力をする必要はないと思います。ダイエット中であればその影響で、軽い栄養不良状態になっている可能性も考えられます。中性脂肪の数値を上げたければ、脂っこい食べ物や高カロリーの食事を続ければ簡単に上昇します。中性脂肪は高い数値が問題であることが多いので、低いからといって特に数値は気にすることはありません。
中性脂肪値は食事や生活習慣で大きく変動する場合があり、特に低値の場合はほとんどの方が問題はないようです。

中性脂肪の数値が低いことが心配であれば甲状腺機能のチェックをする

一般的に、総コレステロール130mg/dl未満、中性脂肪40mg/dl未満、LDLコレステロール80mg/dl未満の場合を低脂血症の診療基準としているようです。ただ低脂血症の場合、大部分は栄養状態の悪化が原因になっています。

中性脂肪の数値が低い原因としてまれに甲状腺疾患アジソン病肝疾患などによる二次性な低脂血症があるようです。さらに、ごくまれに原因となる疾患のない原発性の低脂血症もあることはあるようなのですが、総コレステロールが100mg/dl未満にならないと治療は行われないといわれています。
中性脂肪の数値が低い時に問題となる場合があるとすれば、甲状腺機能亢進症です。甲状腺ホルモンが増えている場合、代謝が亢進し、脂肪の代謝も促進され、コレステロールが下がってしまいます。この場合の症状としては動悸、発汗、手のふるえ、倦怠感などとともに体重が減少してきます。そのような場合は、なるべく早く医師に相談するようにしてください。

ただし、低脂血症自体が治療が必要になることは、ほとんどないということです。もしどうしても心配なのであれば、病院で甲状腺機能のチェックをしてもらい、問題のないことを確認したら、あとは様子を見てもかまわないと思われます。

血中の中性脂肪が不足することで起こる影響について

脂溶性ビタミンなどの栄養素は、血液中の中性脂肪やコレステロールと一緒に体内を移動して細胞の活性化や粘膜の保護に働きます。血液中の中性脂肪が不足しすぎるとビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、βカロチンなど脂溶性栄養素が上手く機能せず、免疫力が低下し病気にかかりやすくなります。また血管が衰弱して破れる、弾性を失い動脈硬化を起こす、神経の機能が低下してめまい、立ちくらみ、脳神経の不調にまで発展することもあります。

中性脂肪が低すぎるのは体の栄養不足のサイン

中性脂肪が低すぎるのは体の栄養不足サインでもあるので、毎日が忙しすぎてきちんとした食事ができていない人、無理なダイエットをしていて体重ばかりを気にする人は生活の見直しが必要です。体質的に中性脂肪が低めの人もいますが、病気を発症していて中性脂肪が極端に低くなることもあります。疑われるのは肝不全や腎不全の他、最も可能性が高いのが甲状腺機能亢進症(バセドウ病)で甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて身体の新陳代謝が活発化し、中性脂肪やコレステロールが多量に消費され、低い値を示すことがあります。

中性脂肪は私たちの体内では皮下や内臓に蓄えられ、エネルギー不足に備えた貯蔵エネルギーです。皮下脂肪は寒さから身を守り体温がうばわれないようにする断熱材的な機能を持ち、内臓脂肪は臓器を正しい位置に保持し、衝撃やけがから内臓を守る緩衝材的な役割をします。脂肪細胞からは生殖、免疫、耐糖、血圧などに関わる大切な生理活性物質も分泌しており、中性脂肪は私たちの生命維持や活動に大切な役割を担っています。

中性脂肪を適性に保つために

高くても低くても健康に良くない中性脂肪は日頃からの正常値を保ち、自分の健康を意識して生活を送ることが大切です。中性脂肪を適性に保つには魚、大豆、野菜、海藻を取り入れたバランスの良い食生活が基本です。特に魚に含まれるDHAやEPAは中性脂肪を下げ、血液を健康にする栄養成分なので積極的に摂取しましょう。 食事を管理するのが難しい人、中性脂肪が高めで気になる人は、食品の機能成分を生かした栄養補助食品やサプリメントを上手に活用して中性脂肪をコントロールしましょう。